2021/05/08 02:02
睡眠や自律神経などの問題に直接的な効果が期待でき、人体に好影響を与える大麻由来の成分として世界で注目されている CBD。
基本的に多くの CBD 製品は大人の使用を目的に作られていますが、
子供が摂取しても同じような効果が期待できるのでしょうか?また、CBD は子供が摂取しても安全な成分なのでしょうか?
「子供に CBD を試してみたい」と思うお母様お父様が持つこのような疑問に対して、研究結果や実績などを元にお答えしていきます。
※CBD 製品を含めたいかなる製品でも、新しくお子様に使用するときは必ず事前にかかりつけの医師にご相談ください。
CBD の安全性
CBD は THC とは異なる
大麻由来の成分と聞くと、怪しいイメージを持つ方も少なからずいらっしゃると思います。大麻はなぜ悪いイメージがあるのでしょうか。
主な理由は日本では「大麻=危険ドラッグ」だと教育されてきているからです。しかし近年では、大麻(ヘンプ)由来の成分を使った製品を日本でも見かけるようになったり、医療/嗜好目的で大
麻を合法化する国や地域が増えてきたことから、徐々に悪いイメージが薄れてきています。
大麻はアメリカやヨーロッパで合法化されていますが、基本的に大麻には THC という陶酔成分(ハイになる成分)が含まれています。この THC という陶酔成分が特定の病状に効く場合もあるのですが、この成分は日本では違法成分として禁止されています。
しかし CBD は陶酔成分を含まないため、摂取してもハイになることはありません。また、日本では THC を含む大麻製品が禁止されていますので、THC が含まれていない CBD 製品は合法です。
したがって大麻が違法な日本においても、CBD の使用は合法であり、またお子様に使用してもハイになることはありません。
CBD を医療目的で使用するには研究の余地がある
「CBD は安全であるという事実」は、2017 年にアメリカ国際医学図書館に寄せられた Kerstin
Iffland と Franjo Grotenhermen の研究を始めとする多くの研究で発表されています。
しかし乳幼児や小さな子供に対する CBD の研究は、大人や動物を使った実験数よりもまだ少ないことは事実です。
例えば免疫の暴走によるアトピーや、てんかんなどの発作に効果があることは研究で実証されていますが、子供に対しての長期間に渡る研究は大人と比べて数が少なく足りていません。
したがって子供に CBD を使用するときは、お母様お父様の注意が必要です。
CBD は基本的に安全なものです。しかし大人とは違って自分で体の変化を感じにくい子供への使用は、大人が子供の些細な変化に注意を払うことが大前提となります。
確実に信頼できる製品を
海外では子供の寝つきを良くするために、就寝前に CBD 入りホットチョコレートを飲ませている家庭が多くあるのだとか。
このようにして日常的に毎日CBDを摂取させていくのであれば、選ぶ製品には注意しましょう。
成分表や CBD の含有量などを詳細に公表していない CBD 製品は選ばないようにしてください。
CBD の他に何が含まれているかわからないものは大変危険です。
実際にアメリカの FDA(アメリカ食品医薬品局)では、安全な CBD 製品を市場に置くために CBD に対する規制が設けられていて、成分表を公開していない CBD の企業に警告文を送付するなどの処置をとっています。
CBD によって改善が期待できる子供の症状
CBD によって改善が期待できる症状は複数あります。
研究の余地はあるものの、以下の症状は大人と同様に子供の症状にも効くとされています。
• アトピー
• うつ病
• てんかんなどによる発作
• 自閉症
• ADHD
• 不安神経症 など
この他にも CBD のリラックス効果から、癇癪持ちで日常的に暴走してしまう性格のお子様や、寝つきが悪い/夜中に何度も起きるといったお子様にも効果があると言われています。
以下ではてんかんと自閉症についての実績を詳しくご説明していきます。
てんかん
CBD によるてんかんの治療で最も有名なのは、2013 年にアメリカで放送されたシャーロットちゃんの症状改善例です。生後 3 ヶ月の時から発症した希少てんかんによるトラベ症候群を患い、週に 300 回ものてんかん発作を起こしていたシャーロットちゃんですが、6 才頃から CBD を摂取することで発作が激減し、日常生活を取り戻しました。
このシャーロットちゃんの事例から CBD がてんかん治療に効くと全米で注目され始め、研究が進んでいくこととなりました。
また最新の研究としては 2020 年に、Epilepsy & Behavior Reports に公開された Yuji Masataka による研究論文があります。日本人乳児のてんかんに CBD 療法を行い、発作が完全に消滅したという研究結果となりました。乳児は生後 6 ヶ月で、CBD のてんかん治療における研究対象年齢では最年少ということです。
このようにして CBD の子供に対するてんかんの研究は、徐々に増えつつあります。
自閉症
最新の自閉症の CBD 治療における研究では、2019 年にアメリカ国立医学図書館に寄稿された、
Paulo Fleury-Teixeira らによる研究論文があります。
この研究では、自閉症と診断された 18 人の患者を対象に 6〜9 ヶ月間 CBD を摂取してもらい、どの症状に効果があるか観察しました。
最も改善効果のあった自閉症による症状は、発作・注意欠如・多動性障害・睡眠障害・コミュニケーションおよび社会的相互作用の障害でした。
研究対象者のうち 15 人は CBD 以外にも他の薬を併用していましたが、薬を減らしたり中止した
りしても、CBD によって症状のいくつかの改善効果が続いているということです。
CBD を子供に使用する注意点
1. お子様が何らかの持病を抱えている場合は、必ずかかりつけの医師に相談してから使用するようにしてください。薬との併用に問題がないか、などの確認は効果的に CBD を使用する上で必須です。
2. 植物アレルギーや花粉症をお持ちのお子様には要注意してください。CBD は大麻由来。つまり植物由来ですので、お子様の体質によっては CBD が合わない場合がございます。お子様に使用する場合は少量から試すようにして、アレルギーなどの症状が出るようでしたら、使用を中止してください。
3. 成分表を確かに公開している信頼性の高い製品を選んでください。CBD の他に何が含まれているかわからない製品は大変危険です。大人なら大丈夫な混ぜ物でも、お子様が日常的に摂取して大丈夫かは不明です。成分表を見て、全ての成分が安全かどうかしっかりと確認しましょう。
4. お子様に CBD を使用する際は、用量とお子様の体調の変化に細心の注意を払ってください。CBD は基本的に安全ですが、自分で体調の変化に気付きにくいお子様への使用は、お母様お父様の監督が必須です。
5. 上記でもご説明させて頂いた通り、CBD の子供に対する研究は現段階では少ないです。そのため CBD をお子様に使用する場合は、多少のリスクを承知した上で自己責任で使用しましょう。